2012年1月18日水曜日

スペインの試験期間


秋学期の試験が終わった。
留学生向けに大学側から提供されているスペイン語のコースは早々にやめてしまったので、経営学関係が一つ、政治経済系が一つ、それに文化人類学系が一つの計三つと比較的試験数は少ない。
でもやっぱり母国語の人たちが試験勉強をするのに比べると1.5倍くらいの労力と時間が必要である。
授業内容を復習したり、指定されていた本を読む時には最初はその内容を「言語的」に理解できるかが問題。
それが出来たあと初めて内容を覚えたり、「理論的」に理解するという段階に入ることができる。
つまりは二度手間。
加えて、今回の試験に関しては直前の冬休みに遊びほうけてしまったため尚更直前になって切羽詰るはめになった。

試験期間の一日のサイクルは以下のようなもので、ほぼ毎日忠実に守り続けた。

0830:起床
09001400:図書館勉強
14001530:友達と学食で昼食
15001800:図書館勉強
18001830:コーヒーブレイク
18302030:図書館勉強
20302200:友達とそこらで夕食
2230043024時間開館図書館へ移動し勉強
0530:就寝

試験期間中の24時間開館図書館の勉強ホールはなかなか怖い。
みんな机の上に栄養ドリンクの缶を何本は並べて、教科書やノートを噛り付くように見てはぶつぶつ言っていたりする。
最終的に完全に同化して僕も栄養ドリンク並べてぶつぶつ一人でノートに向かって呟いていたりしたのだけれど。

何はともあれこんな非人間的な生活は終わった。

そして試験は難しかった。
経営学の試験では、2ページに渡り実際の経営現場で起こり得る問題の実例が説明してあり、そのような問題に対処するために用いることができる経営理論を説明しつつ、対処方法を自分で考えて書かなければいけなかった。

文化人類学系の授業ではこれまた論文の一部、4ページほどが配られ、それについての自分の見解を授業であつかった文献を引用したり、理論を応用したりしながら発展させなければならない。

選択肢問題や穴埋めの問題は一切ない。

つまり勉強しているか、していないかは一目瞭然、そのかわりスペイン語能力の低さも完全に露呈する。
必死に書けることは全て書いたつもりではあるけれど、試験結果がどうなるかについてはまったく分からない。

来週はもう春学期である。
日本からすれば学期の間に一週間も休みがないのはなんだか変な気分だし、もう少し切り替えの休み時間がほしい気もするけれど、そんなことも言ってられない。
あと四日の切り替え日は寝て過ごそうと思っていたけれど、そんな計画を阻むもの登場。

冬休みに両親に持ってきていただいた、堀田善衛『ゴヤ』。

スペインでの滞在中に日本語の本を読むことに関してなんだか抵抗感と罪悪感みたいなものがあったけれど、これだけスペイン語に浸った試験期間の後だから、ということで手を出してみたらなんと面白い。
まだ一巻目を舐めたくらいの程度だけれど(この本は文庫四巻組です)、なんだか引きずり込まれてしまいました。
今日本では上野、西洋美術館で「ゴヤ展」をやっているようで、日本でもだいぶ認知されているスペインの画家に関する本だけれども、美術評論本なんて思っていはいけない。
スペインに少しでも興味があればこれは読んでみる価値あり。

というわけで春学期までの休養日は「ゴヤ」に浸りそうです。
またプラド美術館にでも足を運ぼうかしら。

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