2012年4月17日火曜日

スペイン北部旅行のススメ ア・コルーニャ編



スペイン北部旅行3日目、2日間滞在したサンティアゴ・デ・コンポステーラともお別れ。
朝早く宿を出ると、昨日とはうって変わって見渡す限り分厚い灰色の雲に空が覆われている。

おぉ、これがガリシアの空か。

晴れているともちろん気持ちいけど、曇っていると街の雰囲気が変わってこれまた綺麗である。
そんなことを思いながらとぼとぼ駅まで行くと、昨日わざわざ駅まで行って調べたおいたア・コルーニャ行きの電車がない。
あれ?見間違いか。
30分ほど時間に余裕が出来たので、小さな駅構内にあるこれまた小さなカフェテリアに入ってコーヒーと朝食をとりながら本を読んで暇つぶし。
これまたよし。

サンティアゴからア・コルーニャまでは電車で約40分。
本を読みながら、車窓から見える久々の緑を眺めていたらあっという間に着いてしまった。

A Coruña
この呼称、つまりア・コルーニャというのはガシリア語の名前でありカスティーリャ語ではラ・コルーニャ(La Coruña)。
スペインの都市名をABC順に並べると、「A C」で始まるこの都市は必ず一番上に来る。
そしてネットでバスの予約をする際には、ABC順で並ぶスペインの都市名から目的地を選ばないといけないので、この都市の名前はよく目にしていたが、ただ街自体についてはさして何も知らない。
ア・コルーニャはサンティアゴ・デ・コンポステーラからまっすぐ北にある港湾都市でる。
サンティアゴから着いて一番最初の感想は

「おぉーだいぶ大きくて近代的な街に来たなぁ」

それもそのはず、ガリシア州では南部の工業都市ビーゴに次ぐ第二の都市だそうな。
有名な銀行の本店があったり、今や世界的ブランドとなっていて日本でも展開しているザラ(ZARA)の本拠地だったり。
ア・コルーニャ市内にはZARA一号店だってある。
ちなみにこんなスペインの端っこから展開し始めたZARA、今や他にも多数のブランドを持つインデックスという会社だが、ここの社長のAmancio Ortegaという人はスペインではちょっとした有名人。
何と言っても、スペインの長者番付では堂々の一位、世界でも6位だ。

まっ出身の山口県に「宮殿」みたいな屋敷持ってるっていう日本のアパレル社長と同じようなもんか。

また話がそれた。

ちなみにガイドブックによると・・・
そんな今や大きな都市となっているア・コルーニャ、紀元前にカエサル率いるローマ人がこの地に足を踏み入れた時には、多くのケルト人が住んでいたというのだから、街としての歴史はかなり古いようである。
さらに1588年にはここア・コルーニャの港からスペインの無敵艦隊が、イギリス海峡に向けて出港し、イギリス海軍にボロ負けする。(無敵艦隊がボロ負けってなんだか・・・)

受験で「1588年、アルマダの海戦。以後はば(1588)利かす英海軍」と呪文のように覚えただけのアルマダの海戦、ここからスペイン海軍は出港したのかぁ。
ちょっぴり感激。

とにかく、この街の滞在はたったの一日。
宿に余計な荷物を置いて、すぐに散策開始。

とりあえず観光案内書などもあるというPlaza Mayorまで歩いて行ってみると・・・
がらぁ~ん
人がいない。
ショッピングストリートにはたくさん人がいたのになぜかこの中央広場だけ人が全然いない。
一方を市庁舎に、そしてその他三方をまた歴史的な建物に囲まれた小奇麗な広場である。
そして広場の中央にはスペイン独立戦争で、ナポレオン軍に対して勇敢に闘った市民を讃える記念碑。
こういうスペイン独立戦争の記念碑類、スペインのどこの街に行っても大概あるのだけど、ア・コルーニャのはなかなか立派。
説明を読むと、どうやらこの街がガシリアでは唯一フランス軍の占領に最後まで抵抗したということらしい。
なるほど、「俺たちは他の街のやつらよりはガンバッタんだぜい」ってことか。

中央広場から海岸線に出て、海沿いを岬の方にぷらぷらと歩くこと約30分、ヘラクレスの塔という灯台が見えてくる。
このたいそうな名前の灯台、18世紀に改修はされているものの、もとは2世紀に建てられたローマ時代の灯台で、現存する世界最古の灯台として世界遺産にも登録されているらしい。

ここまで歩いて来る間に雲が切れて、太陽も出てきた。
気持ちいいので、ここのベンチで休憩がてら本を読みながら一時間半ほど。

そういえばア・コルーニャ周辺とビーゴ周辺の海岸線はリアス式海岸である。
そしてこのリアス式海岸こそ、「元祖リアス式海岸」である。
日本でも深く細かく入り組んだ海岸線はリアス式海岸と呼ばれ三陸地方などで見られるが、実はこの「リアス」はスペイン語。
もともとのスペイン語、ríaは「沿岸部の陸地が水没して出来た入江」を意味する。(from Real Academia Española)
まぁとにかくガリシア地方特有の地形だったから、それがそのまま世界に広まったらしい。
そんなわけで海岸線はギザギザ、入江もかなり深い。

岬からは、また違う海岸線の遊歩道をゆっくりお散歩して、磯崎新さんが設計したという人類博物館を横目にみながら、市中心部まで帰ると、またバルでコーヒー飲みながら一休み。
本当に落ち着いた旅である。

バルで一雨やり過ごしたあと、また海岸線に出てア・コルーニャの港周辺を散策。

港に停泊している赤くて可愛い漁船と、海岸通りに並ぶガラス張りの白くてかっこいい建物のコントラストがなかなか綺麗だったので写真をパシャリ。

これにてア・コルーニャに関するお粗末ブログ記事終了。
さってレポート書こ、レポート。

中央広場に面する市庁舎

何にもない海岸沿い遊歩道

ヘラクレスの塔

灯台周辺の海外沿い 「スペインぽく」ないなぁ

ヘラクレス、遠望

ヘラクレスの塔から小さな入り江を挟んだ対岸にあるよくわからんオブジェ

ア・コルーニャの港

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