2011年8月16日火曜日

「家」のない留学



スペイン渡航日まで約2週間。昨日は六本木にあるスペイン大使館へ出向いて滞在用の学生ビザを受け取り、今日は2か月分の寮費をデポジットとしてへ国際送金した。
スペインでの生活の用意という用意はしていないけど、事務手続きは進んでいくし出発までの日にちも刻々と近づいてきている。

正直なところあまり実感は湧いていない。
でも、行くまでに何かやらないといけないという強迫観念みたいなものはあって、今はとにかく必死にスペインの新聞を読んでは、知らない単語を抜き出してノートに書き写して覚える、ということをしている。

高校時代にも1年間ベルギーに留学はしたが、まったく今回の気分とは違った。
そもそもオランダ語(ベルギーではフランス語、オランダ語、ドイツ語の3言語が公用語とされていて、僕はオランダ語圏に滞在)は日本では勉強できないという諦めがあったし、「あっちでなんとかなる」と思っていた。

別にどっちがいい、悪いではなく、ただ高校時代に留学するのと大学で留学するのは意味合いが異なるのだろう。

高校時代には、お気楽に出発してあっちで文化的なギャップに最初は戸惑いながら、でもそこになんとか自分を溶け込ませていくといういう経験をした。
自分を「異物」として捉えている現地の文化的コミュニティーの中に入るには、その文化に染まることは大切かもしれないけど、まずは自分をそのコミュニティーにとって無害であるような存在にならなければいけない。
これはほとんど「技術」と言ってもよかったかもしれない。

そして今回の留学はもう少し先を見据えながら悩んでみる。
せっかく日本から離れることだし何も考えずに、スペインでの生活を楽しんでとりあえず大学の授業についていってみるというのも「あり」だと思う。
でも、今回は少し違う留学生活のおくり方をしてみよう。
帰ったら「シューカツ」するの?大学院いくの?大学院だったら何を研究するの?...これは今も考えているけれど、こんな悩みをずっとスペインでも頭の隅に転がしておきながら生活を送る。
別に悩み込むわけじゃない。
でもいつもこんな悩みを頭の隅に転がしておいて、たまにその悩みを思い返してみる。

そして、今回の留学が、高校の時と大きく違うのはホストファミリーがいないということ。
ベルギーにいた時はホストファミリーにかなり頼っている部分があった。
始めは小学生の「妹」にオランダ語を家で習い、ある程度言語能力が上達したら、夕食後「おかあさん」と学校のことやら日本のことを話す。
高校の授業での板書が追い付かなかったら同学年の「姉」にノートを見せてもらう。
提出用のレポートがあれば、一歳下の「弟」にオランダ語のチェックをしてもらう。
「おとうさん」とは...よく旅行をした。笑

ホストファミリーがいたのは言語能力の向上に役だっただけじゃない。

むしろ大きかったのは、帰る「家」があったことだ。
ベルギーに到着してから1か月くらいは学校へ行って友達と話しほとんど何を言ってるか分からない授業を聞くだけでとにかく疲れた。
そんな一日が終わってクタクタになった時に帰る家、家庭があったのは本当にありがたかったし、落ち着いて心身を休められる気がした。

そんな「家」は今回の留学にはない。
今回は悩みを突っつきまわしながら、「家」のない留学生活をおくる。

スペインで辛くなったら、飛行機で一時間半で着ける「家」へ駈け込んで泣きつこうかしら。←

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